MIND

【経験談】アルコール依存症は治るよ、というお話

自分はアルコール依存症かもしれない。
治療した方がいいの?

そもそもアルコール依存症って治るの?
誰にも相談できないし不安…

こういった疑問にお答えします。

この記事の内容
  1. アルコール依存症は治るの?
  2. アルコール依存症の治し方、治療期間
  3. アルコール依存症を治すと人生が変わります

アルコール依存症だった私の経験も交えて書いていきます。

アルコール依存症は治るの?


結論から言うと、アルコール依存症は治ります。

「治る」という表現は正確ではないのですが、お酒を断つことでアルコール依存症から回復し、普通の生活が送れるようになります。

とはいえ、そう簡単にはやめられないですよね。

仕事のストレスで飲まないと自分を保てない、嫌なことから逃げたい。
辛い、何も考えたくない。

ちょっとお酒を飲みすぎているだけだし、別に治療する必要なんかないよね?と。

アルコール依存症を治療した方が良い理由

でも、経験者の私は断言します。
アルコール依存症はできるだけ早く治療した方がいい。

理由は2つ。

  1. 脳が萎縮してしまうから
  2. 大切な人を失うおそれがあるから

これについて解説していきます。

1. 脳が萎縮するから


アルコールの量が増えるほど脳が萎縮することがわかっています。

認知症になる確率もあがります。

過去に5年間以上のアルコール乱用または大量飲酒の経験のある高齢男性では、そのような経験のない男性と比べて認知症の危険性が4.6倍、うつ病の危険性が3.7倍と報告されています(厚生労働省のサイトから引用)

このことからも、脳の萎縮や認知症を引きおこす大量飲酒が脳に悪いことは確かです。

私もアルコールを大量に飲んでいた頃から、あきらかに脳の働きが悪くなりました。

飲酒をやめれば回復するとも言われますが、私の場合、今でも言葉が出てこなかったり人の名前を忘れやすかったり、症状が残っています。

お酒をやめたのに思うように頭が働かないのは地味につらいです。
こうなる前に治した方がいい。

ちなみにお酒は少量でも体に悪いので、少ししか飲まない人もやめた方がよさそうです。

2. 大切な人を失うおそれがあるから


アルコール依存症の人は、飲酒による暴言、問題行動、危険な行動などで、気づかないうちに周りの人を巻き込んでいます。

しかし、周囲の人はアルコール依存の人に対して何もできません。

治療には本人の意志が必要だからです。

色んな思いを抱えながら、耐えたり見守ったり、あるいは離れていくのだと思います。

私は、飲酒による問題行動を繰り返した結果、仲の良かった弟に避けられるようになり、以来すっかり疎遠になってしまいました。

信頼を失ったのでしょう。自業自得とはいえ本当に悲しいし後悔しています。

あなたにも家族や友人など大切な人がいると思いますが、お酒のせいで失って欲しくないと心から思います。

中には「大切な人なんかいない」という人もいるかもしれません。

しかし、一番大切な「自分」を失う前に治療を考えて欲しいなと思います。

ここまで、アルコール依存症は治ることと、治すべき理由まで書きました。

続いて、実際にどうやって治せばいいのか?について解説します。

アルコール依存症の治し方


アルコール依存症の唯一の治療方法はただ1つ、断酒することです。

なぜ減酒じゃだめかというと、1滴でも飲んだら止まらなくなって元の飲酒癖が戻ってしまうからです。

つまり今後一生、お酒を1滴も飲めなくなります。

いきなり言われても「そんなの無理!」って思いますよね。

でも大丈夫です。

なぜなら2日に1本ウォッカを空けていた私でも断酒できたから。
あなたもきっと断酒できます。

1人で断酒するのは難しい


残念ながら1人で断酒するのはかなり難しいです。

理由は簡単で、自分で決意しただけだと、すぐに挫折して飲んでしまうからです。

アルコール依存症の”欲求”は強烈なので、死に物狂いでお酒を探したり買いに行ったり、ときには盗んでまで飲もうとします。

アルコールを飲むと気分が悪くなる薬(シアナマイド)を飲む方法もありますが、効果は人によるかと。

過去の私は、シアナマイドを飲んだ後でお酒も飲んでました。

心臓がバクバクして「これはヤバイ!」って思うんですけど、飲みたい欲望には勝てなんです。

だから自分1人で決意しただけでは、断酒はかなり難しいと思います。

じゃあどうすればいいの?入院するしかないの?

答えはこちらです。

自助グループがおすすめ

断酒をするには、アルコール依存症の人が集まる自助グループに参加することをおすすめします。

友達と一緒にダイエットすると成功しやすいのと同じで、同じアルコール依存症の仲間がいるだけで不思議と断酒できるんです。

もはや自助グループなしでは断酒できないんじゃないかしら。

それぐらい断酒は辛いです(最初だけね)。

有名なのはこの2つ。

詳しくはリンク先で読んで欲しいのですが、私はAAに参加して断酒することができました。

これらの自助グループでは、飲酒をやめたいと願う人たちが、今日一日、ともかく最初の一杯に手をつけないことを心がけています。

ずっと辞めるのではなく、「今日一日飲まない」ことが目標。

そして、飲まない生き方を続けるために、定期的に行われるミーティングでお互いの経験を分かち合い、アルコール依存症から回復するために提案された12のステップを実行します。

AA12のステップ
1.私たちはアルコールに対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた。
2.自分を超えた大きな力が、私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった。
3.私たちの意志と生き方を、自分なりに理解した神の配慮にゆだねる決心をした。
4.恐れずに、徹底して、自分自身の棚卸しを行ない、それを表に作った。
5.神に対し、自分に対し、そしてもう一人の人に対して、自分の過ちの本質をありのままに認めた。
6.こうした性格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう準備がすべて整った。
7.私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に神に求めた。
8.私たちが傷つけたすべての人の表を作り、その人たち全員に進んで埋め合わせをしようとする気持ちになった。
9.その人たちやほかの人を傷つけない限り、機会あるたびに、その人たちに直接埋め合わせをした。
10.自分自身の棚卸しを続け、間違ったときは直ちにそれを認めた。
11.祈りと黙想を通して、自分なりに理解した神との意識的な触れ合いを深め、神の意志を知ることと、それを実践する力だけを求めた。
12.これらのステップを経た結果、私たちは霊的に目覚め、このメッセージをアルコホーリクに伝え、そして私たちのすべてのことにこの原理を実行しようと努力した。

アルコホーリクス・アノニマス「AA12のステップ」より引用

上記を読むと分かる通り、自分の力でどうにかすることをあきらめて、全てを委ねる感じです。

神とかミーティングって…私も最初は半信半疑でしたが、通い続けるうちに「あのオジさんも頑張ってたし今日は我慢しよう」と思える日が増えて、結果、断酒することができました。

さすが伝統のプログラムです。

あれから15年以上。
一滴も飲まずに、飲みたくもならずに生活できているので、AAには感謝しかありません。

最初の2ヶ月ぐらいは本当に辛かったですけどね。
AAに通ってなければ間違いなく挫折してたと思います。

ミーティングで話す・聞く


AAで何をするかというと、週に数回”ミーティング”と呼ばれる集まりがあって、そこで1人ずつ話をします。基本それだけです。

海外の映画やドラマでも依存症のミーティングシーンはよく出てくるので見たことがある方も多いかと思います。

話す内容はこんな感じ↓

飲酒により自分の生き方や性格がどうなったか、助かりたいと思ったとき何をしたか、そして今、どういう生き方をしているか

話したくなければ聞くだけでもOKですし、言いっぱなし、聞きっぱなしがルールなので、かなり気楽です。

あなたの住んでいる地域でもミーティングが開催されていると思いますので、参加したい方は探してみてください。

下にAAのミーティングの予定表へのリンクを載せておきます。

飲酒をやめたいという意思がある方なら誰でも無料で参加できます。
事前の申し込みも不要です

最初は不安だと思いますが、親切な方が色々教えてくれるので大丈夫です。
足を運んでみてください。

アルコール依存症を治したら人生が変わります


劇的な変化があるわけではないけど、少しずつ確実に変わります。

なぜなら、次のようなことをしなくなるからです。

  • 飲んで仕事をサボる
  • 飲んで友人に電話をかけまくって迷惑がられる
  • 飲んで路上で寝る
  • 飲んで「自殺する」と騒いで警察沙汰になる
  • 飲んで自転車で転んで血だらけになる
  • 飲んで急性すい炎になって救急車で運ばれる

全て過去の私のことです。我ながら引きますね。

これらの行動がなくなり、普通に生活できるようになったのは本当に大きいです。

上の例を見ればわかりますが、アルコール依存症の生活ってめちゃくちゃですから。

あと、お酒をやめるとこんなメリットもあります。

  • 二日酔いにならない
  • 飲酒代を節約できる

二日酔いにならない

地味ですが、二日酔いにならないって良くないですか?

あの気持ち悪さがないだけでも、人生だいぶ得してる気がします。

頭痛、吐き気、胃もたれ、むくみ、倦怠感。
お酒による不快な症状と縁を切れます。

飲酒代を節約できる

いわずもがな、飲酒にかかるお金が一切なくなるので、その分生活にも余裕ができます。

総務省『家計調査』(2017年)によると、飲酒に使った年間の支出額は1世帯当たり約11万円だそうですが、アルコール依存症の場合は2倍以上だと思います。

私の場合、お酒とつまみで月3万円、つまり年間36万円以上は使っていたと思います。

36万円あれば海外旅行にも行けますよね。
MacBookだったら結構いいやつが買えます。

お金をもっと有益なことに回せる。それだけでもお酒をやめる価値はあります。

お酒がなくても人生は楽しい


こうしたメリットを聞いてもピンとこないかもしれません。

そもそも「アルコールのない生活」を想像できないかもしれません。

「飲まない人生なんて生きてても仕方ない」と思われるかもしれません。

でも実際やめてみると、お酒のない人生は、お酒のある人生よりずっと良い。

飲まない自分に自信が持てる

飲んで自己嫌悪したり他人に迷惑をかけたりしなくなるので、自己肯定感も上がります。

廃人だった自分が普通に生きてることに幸せを感じます。

断言しますが、
お酒をやめて後悔したことは1つもありません。

お酒がなくても何の問題もなく生きていけます。
だから安心してアルコール依存症を治して欲しいと思います。

以上、アルコール依存症は治るの?という話から、治し方とその後の話を書きました。

何かの参考になれば幸いです。

注)この記事は個人の経験を元に執筆していています。重度のアルコール依存症の場合は、医療機関を受診されることをおすすめします。